京極夏彦の西巷説百物語は、豆狸まで読み終わりました。次はラストの野狐です。
その前の溝出は、ひたすら雰囲気がどんよりして内容も鬱々してたので読むのがしんどかったです。イメージ的に黒いもやにずーーっと纏われてる感じで、身動き取れないというか。
舞台の村もある事がきっかけで悲惨な状況で、それを救った主人公はすごいんだけれど、本人が鬼になったと言っているようにやり方が結構あれで…。
ラストは一切救いもなくて、ある人物と共倒れするという…。非常に後味の悪い話でした。
次の豆狸は酒蔵を舞台に繰り広げられる話で、主人公はそこの親方である与兵衛。林蔵とは碁を打つ仲らしい。毎度のようにここでも林蔵たちは出入りしている模様。
この主人公は周りから慕われているけれど、本人は何やら後ろ暗い過去がある様子。どうやら子供絡みでトラウマ持ってるらしく、豆狸の話になると否定的な態度も。
それで話を読み進めていくと、子供の頃からだいぶ苦労してきたことが判明するんですが。元々は江戸の出身だけど、紆余曲折あってそこの酒蔵の主人の娘と一緒になり子供も生まれ幸せな日々を過ごしていました。
しかし、ある事で妻子らを失ってしまってこの人は人生どん底に。それは不可抗力であったし与兵衛自身の責任じゃなかったんだけど、結果的に子供を救えなかったのがトラウマになっているようで、今も自責の念に苛まれていて。この辺り泣きながら読んでた…。
酒蔵の主人はわが子や孫を失っても主人公を責めるわけでもなく、むしろ気遣ってくれてこっちまで涙が出ました。ええ人や…。
珍しく主人公が悪者ではなかった話でした。ラストではまさかの…という感じで、与兵衛に救いがあったので本当に良かったし林蔵の独白も良かった。
ちなみに伊丹といえば白雪など酒蔵で有名なんですが、その近くには湧き水もあって無料で水を汲むことができます。
自分も以前近くの伊丹市立美術館へ行った際、ここでペットボトルに水を汲むことがありました。飲むとひんやりしていてまろやかな感じ。おいしかったです。
今はこの美術館、2年前にリニューアルしたときに名前が変わったみたいで…全然知らなかったです。
#読書